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かなわの牡蠣は安全で新鮮。身もぎゅっと締まっていて美味しい

秋になると、そろそろ牡蠣が食べたくなりませんか? 生かきだけではなく、牡蠣フライ、牡蠣の酒蒸し、牡蠣の土手鍋、牡蠣ご飯……。海のミルクと言われるあの濃厚な旨味を想像するだけで、幸せな気持ちになります。

 

牡蠣の旬は秋の終わり頃から春にかけてと言われていますが、牡蠣を養殖している会社は年間を通して作業をしています。そんな牡蠣が皆様のお口に入るまでのあれこれを少しずつお伝えしていきたいと思います。まずは、意外と知らない牡蠣ができるまでを、作業現場を訪ねるなどして紹介いたします。ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。

 

牡蠣の養殖。筏に針金で吊るして成長を待つ

我が子のように育てられ
 牡蠣を美味しく食べるためには2~3年はかかると言われています。今シーズン出荷するものは、2、3年前の牡蠣の卵を採る「採苗」の段階からじっくりと大切に、時には厳しく育てられています。まるで我が子を育てるような感覚です。強い牡蠣へと育てるために、いろいろな環境変化の下で鍛えられ、この時期残っている牡蠣は、実は選りすぐられたエリートたちなんです。

 

 厳しい環境のひとつが「抑制」と呼ばれるものです。牡蠣の赤ちゃんを、干潟の抑制棚に約半年~1年吊るすというものです。沖で採苗した種は小さく弱いため、少しずつ環境に慣らしながら採苗した海域から浅瀬へ、さらに干潟へと移動していきます。干潟の抑制棚は、海中から出て空気に触れるので、弱い種は自然に死んでいきます。人間の子育てよりは厳しいのかもしれませんね。

牡蠣の養殖には様々な工程があり、出荷前にさらに成長を促す沖出し作業をする

「沖出し」で最後の仕上げ
そんな試練も経て、あと1~2か月すれば出荷できるぐらいに育ってくれば、いよいよ最後の卒業試験です。「沖出し」というあまり馴染みのない作業もそれに当たります。

 

養殖場から一度引き上げられ、近くの工場で連なった牡蠣の殻をばらし、殻はきれいに洗浄します。かつては針金で吊るされて仲間たちとの「集団生活」でしたが、今度は1個ずつ別々にされたうえで網に入れるので「個人生活」となります。人間社会と同様に、個々の力が試される競争社会へと放り出されます。ちょうど大学生となり、親元を離れて新たな一歩を踏み出すようですね。
「沖出し」という作業で、大人になりかけの牡蠣たちは再び養殖場の海の中へ戻っていきます。そして、それぞれ海中のプランクトンなどの餌を養分として体内に蓄えながら、黙々と体(身)をさらに大きくしていきます。

 

再び養殖場へ 作業日も記録
かなわの養殖場は、瀬戸内海の浮かぶ無人島「大黒神島」沖。広島湾から30㌔離れており、生活排水が一切流れ込まない場所です。ここで育った牡蠣は、とにかく安全で新鮮。また、大きさだけでなく、身もぷりぷりになります。さらに、塩分濃度も3.1%以上と高いので、身がキュッと締まって甘味のある上質な牡蠣へと成長します。

 

沖出し作業に同行した日は前日採取した牡蠣約2000個(洗浄・ばらし作業済み)を網籠に30~40個ずつ入れて準備。船に積み込み、養殖場の海域へ向かいました。15分ほどで到着すると、筏の隙間に網籠を5、6段に積み重ねて海中に戻しました。大人になりきっていない牡蠣とはいえ、それなりに重く、船のクレーンで吊るしての作業です。でも、実際、筏での作業は準備がすべてという印象が強く、15分足らずでした。最後にそれぞれ、筏の竹には沖出しした牡蠣の種類と作業日を記入したシールを貼り、どこの筏にいつ沖出しした牡蠣が養殖されているかが一目で分かるようにもしていました。出荷の本格シーズンに向けて管理も大切しています。

牡蠣の沖出し作業後には作業日を筏に記録して管理

 

水揚げ後すぐにお届けへ
沖出し作業のメリットはもう一つあります。事前に連なった牡蠣をばらし、牡蠣の殻を洗浄していることで、水揚げしたらすぐに出荷できます。牡蠣のばらしと洗浄作業には時間も労力もかかるので、お客様のもとへできるだけ早くお届けするために、スピード感も重視しているんです。

 

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今年は9月に入っても夏のような暑さの残暑が続き、牡蠣への影響が心配です。この時期とても大切な餌となるプランクトンが豊富にあるのかどうかも気になります。ここまで順調に育ってくれたのだから、立派に成長した美味しい牡蠣をお客様に早くたくさん食べていただきたい……。そんなことを考えていると、ギラギラと輝き、肌を刺す太陽の光が恨めしく感じられました。

 

温暖化の危機が叫ばれて久しいですが、やはり秋は秋らしくあってほしいものです。冷凍技術の進化や冷凍冷蔵庫の普及でこれだけ冷凍食文化の時代となってもなお、日本人は四季の食材を重視しています。スーパーに行けば、牡蠣などの海産物だけでなく、農産物も含めて旬の食材が並びます。旬のものは一番美味しいと言われる時期に美味しくいただけ、同時に季節を感じ、栄養も取ることができます。もしも秋がなくなれば、牡蠣の旬も変わってくるかもしれません。秋らしい涼やかな気候を期待しながら、今シーズンは牡蠣の美味しさをぜひかみしめてみてください。そして日本の四季の恵みを改めて感じてみませんか。